小さなお子さんをお持ちの患者さんから、「乳歯の前歯をぶつけたその後」についてご相談を受けました。
実際、私も2歳の息子がおり、時々、転んで「ヒヤッ」っとする事があります (><;)
そこで今回「乳歯(前歯)をぶつけたとき」とくに永久歯への影響についてです。
小さなお子さんの行動は予測しづらく、不意に乳歯をぶつけてしまうことがあります。
強くぶつけてしまい乳歯への衝撃が強い場合は、歯の神経がダメージを受けてしまい死んでしまう事があります(壊死)。すると歯が茶色に変色してくる場合があります。
幼児期の永久歯は骨の中で徐々に発育し、歯の根っ子(歯根)ができながらはえてきますが、この時期に起きた乳歯の外傷は永久歯の発育にも影響を及ぼします。
乳前歯の根っ子(歯根)の先端はその下に控えているえ永久前歯の歯の表面に接する位置にあります。
乳歯が外傷を受けると、その衝撃により下にある永久歯に近い乳歯の根っ子(歯根)の回り周囲に炎症が広がって、これが永久歯の歯が形成され硬くなる石灰化時期と重なっていた場合は、永久歯の硬化不全(石灰化不全)を引き起こします。
その結果は、外傷を受けた乳歯が抜けて、その後の永久歯が出てきたときに、永久歯の表面が白く濁ったような状態になっていることがあります(白斑状変色)となって現れます。
これは石灰化不全によって、歯の表目のエナメル質が粗造になり透明感が失われるためです。要は、質が悪い状態になってしまうわけです。ちなみにこれは、歯がはえたあと、歯磨き不足による「初期虫歯(CO)」とは違います。
この白斑は、見た目が気にならなければそのままにしてもあまり問題ありません。
しかし、この範囲が広く目立つ場合は、すごく目立ってしまいあまり良い気がしないと思います。
乳歯とあなどるなかれ、また、症状もしばらく時間が経ってから出てくる事もあります。
(00;)
事実、私も小さい頃に乳歯ではないですが、前歯を転んで強打した事があります。ちょっと欠けただけだったので、修復して事なきをえたと思っていたのですが、2年くらい経過したとき突然、その歯のが痛み出しました。レントゲンを撮ると神経が死んでしまい歯の根っ子(歯根)の先端に膿の袋(根尖病巣)ができており、処置が必要になったことがあります。
もし、お子さんが歯をぶつけたり、転んだりして歯をぶつけた場合、乳歯は抜けてしまうからと放置せずに必ず!早めに適切な処置と管理をしてください。
村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター 村田正人
日付: 2014年3月12日 カテゴリ:矯正歯科(歯並び・症状・治療法など), 噛み合わせ・顎関節症, 赤ちゃん・子供の治療 and tagged 乳歯, 処置, 強打