近年、インターネット広告や女性週刊誌などで
「通院3,4回で終わるクイック矯正」や「通院2,3回すぐ終わるセラミック矯正」などといった表現や宣伝文句を目にすることがあります。
「クイック矯正」「プチ矯正」や「セラミック矯正(セラミックをかぶせる治療)」という言葉は、矯正歯科の分野では存在しません。
正確に言うと「これは矯正歯科治療ではありません!」
歯を削って、歯並びが酷い場合は神経も取り、作り物を被せる補綴治療の一分野です。最近では、よく審美歯科といって、標榜科として認められていですが(2011年現在)、大学病院などで特殊専門外来として存在していて、美しさに焦点を当てた歯科治療のことです。
確かに歯を削って人工の被せ物を入れたら簡単に早く治ります。ただし、歯を削る(時には神経を取る)という犠牲があって可能なことが多いです。元々あった歯が既に人工の被せ物であったり、虫歯がひどく被せ物にせざるを得ない人なら良いと思います。
綺麗な自分の歯を削ると言うことは、一時的に綺麗な歯並びになっても先のことを考えたら、その歯の質を下げてしまうということです。
審美歯科治療がいけないと言うことではありません。
綺麗な自分の歯を削ってでも、色々な理由から「どうしても短時間で見た目を綺麗にしたい!」「どうしても矯正装置を長期つけたくない」などという人は良いかもしれません。人それぞれ価値観も違います。
確かに審美歯科では精神医学上の大切な役割もあると思います。
もちろん、当院でも一般歯科の方では、審美歯科を含めた入れ歯などの補綴治療を得意としており、補綴治療と矯正治療が連携して治療に当たる場合も多々あります。
先日、10年ぶりに合った私の知人でも、早く治るならそれがいいと思い言われるまま「クイック矯正」と言うものを受けて、健康な歯を多く削り前歯6本をオールセラミックの被せ物にした人が居ました。
その時は「健康な歯を削る」ということに抵抗が無くなってしまったそうです。色々話しているうちに「今後の予後が心配!もう少し良く考えればよかった」といってました。(←脅したわけではありませんよ・・・笑(0 0;)/
インターネットなどの普及で、良くも悪くも色々な情報があふれている時代です。矯正歯科分野と審美歯科分野の違いが色々な情報により、治療の正確な情報がボカされてしまっているように感じます。
要は、良く情報を吟味し、正しい情報を得て納得した上で治療を受けてください。そして矯正も………
矯正! 歯列矯正! 矯正歯科とは!!・・・・・原則として
自分の歯を使って正しく噛めるように!キレイに長持ちするようにする治療です
矯正専門医なので・・・・ ちょっと矯正を熱く語りすぎてしまいました(汗)
村田歯科 横浜矯正歯科センター 村田正人