歯周病は言葉の通り、歯の周り つまり歯を支えている部分に起こる病気です。特に歯槽骨という歯の支えにとって特に大事な骨が吸収し無くなることによって、歯にぐらつきが起こりそのうち歯を抜くことになってしまいます。
しかし、一度無くなってしまった歯槽骨は治療によっても元に戻すことが不可能でした。
それが、今話題の再生医療によってできるかもしれないのです。これは今後期待して良いことだと思います。歯槽骨が再生できれば自分の歯を失うことなく食べることができ、入れ歯(義歯)を入れなくて済むのかもしれません。これはもうあと一歩のところに来ているようです。
先月1月15日のテレビ朝日「報道ステーション」にて、歯周病と再生医療についての特集(http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/feature/detail.php?news_id=28359)がありました。このレポートにはやや疑問を感じました。
自分の骨髄から採取した骨髄液から骨を培養しこれを移植するというものです。
この特集で取り上げた症例は、本来の歯周病ではありませんでした。歯の根の先に病巣ができ痛みがあるというものでしたが、これはきちんとした根の治療をすれば治るであろうと思われました。
また、これが無理だとしても病巣を掻爬してそこに培養骨を移植して再生させるのかと思ったのですが、行なったのは自分の歯は抜いてしまい、そこに培養骨を移植して歯槽骨に厚みを持たせインプラントを入れるという治療でした。
インプラントという人工のものを植える為の前処置としての培養骨の移植では再生医療という意味では若干違和感を感じました。
是非とも自分の歯を生かす為の再生医療であって欲しいと思います。
自分の持って生まれた歯に優るものはありませんから・・・
村田歯科医院 一般歯科担当 岡田 一記