先日、友人から最近アゴが曲がってきたような気がする!と相談を受けました。
成人です!もちろん成長は止まっています。
特別な病気にならない限り、アゴの成長も止まっています。
曲がってくることはありません!
いろいろ話を聞いてみると、
食事の時「いつも噛んでいる」アゴがあることがわかりました・・・・
いわゆる「利きアゴ」 「片側噛み」 です。
そこで今回、 「利きアゴ」 「片噛み」 「片側噛み」 についてです。
色々な言い方をしていますが、どれも同じ意味です。
要は、食事など物を噛むときに、左右のどちらかで、主に噛んで食べる癖のことです。
食事をしたり、ガムを噛む時、無意識のうちに噛んでいる方があなたの「利きアゴ」です。 利き手が右の人は、利きあごも右の人が多い傾向にあります。 利き手・利き足の関係に似ています。
その「利きアゴ」である!いつも同じ側で食べ物を噛んでしまうクセを、 「片側噛み(片噛み)」 といいます。
原因としては、単なる癖であったり、歯並びが悪かったり、噛み合わせが悪く、つい噛みやすい方ばかりで噛んでしまう場合、虫歯出来てしまい、虫歯がある側では痛くて噛めない、欠けたり穴があって噛みにくいなどの色々な理由からなることがあります。
その片側噛みは、色々な弊害を引き起こす原因となります。
片側噛みでは、よく使われる一方の筋肉にコリが発生します(過緊張)。逆にもう一方の側は筋肉が緩みます(筋の弛緩)、結果として顔のバランスが崩れます。
まさに、今回相談された友人がこの状態でした。右で良く噛む癖がありました・・・・(><;)
また、歯並びにも歪みがおき、顎がカクカクと鳴ったり、口が開きにくくなる顎関節症になることもあります。
さらに顎と首の筋肉は連動しているので、片側噛みを続けると首の筋肉が片側噛みの側の筋肉に引っぱらて、首が片側噛みの側に傾いてきます。そのゆがみは肩、腰へと伝わり、姿勢にも影響する場合があります。
この片側噛みの治療法として、歯並び・噛み合わせの悪さが原因の場合は、歯列矯正治療、虫歯が原因の場合は、虫歯治療してきっちり噛めるようにします。
また、習慣になってしまった「噛み癖」については、左右均等に噛むように意識しなくてはなりません。
ガムなど片側噛み応えのあるものを両側に入れ、小刻みに噛むなど訓練が必要になります。
また、 大きく顎を動かして噛むと、舌本来の働きで、自然に食物が口の中を右に左に移動します。大きく顎を動かして食べると、逆に片側だけで食べる方が難しいほどです。
ただし、噛み癖のない方で噛むと、最初のうちはすごく疲れてしまいます。これは、当然です。今までは噛んでいた方は、しっかり「筋トレ」が出来ています。噛んでいなかった方は筋肉がなまっています。
皆さんも学生の頃の部活やジム通いで最初はすごく疲れた経験あると思います。
そして、ついまた、「片側噛み」をしてしまいがちです。
ですから「片側噛み」の癖を克服するには、しっかりした目標と意思が大切です。
なかなか心が折れそうなら、専門家である「歯科医」の指導を受けながら頑張ってみても良いとおもいます。
早い人なら数週間で効果が現れはじめます。左右で正しく噛んでバランスの良い引き締まった顔と正しい姿勢が健康には大切です。
ちなみに私も左で噛んでしまいがちです!自分でも意識はしています。
矯正歯科医として、患者さんの良きお手本にならなくてはと日々気をつけています。
まだ、ご自身でも「片側噛み」に気づいていない方も一度意識して、「片側噛み」をしていないか?チェックしてみてください。
村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター 村田正人