「私、顎が無いんです・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・(00;)・・・・」
「・・・・ん?・・・・・・・・」
「私、下アゴがないんです・・・・・・」
「下アゴが引っ込み過ぎているんです!」・・・・(あーそういうことですね。)
そんな悩みをお持ちの患者さんがいらっしゃいました。
アゴの先の部分(以下「オトガイ」)があまり出て居ない状態です。
一見、アゴの先端というと、「美容整形ではないの?・・・・」って印象もあるかと思いますが・・・・
矯正歯科治療でも、骨格や歯並びに問題がある外科矯正手術適応(保険矯正)の場合にアゴの先の部分(オトガイ)の手術も行うことがあります。
これを・・・・・
「オトガイ形成術(genioplasty)」といいます。
そこで今回「オトガイ形成術」についてです。
美容整形外科の手術などでも耳にした事があるかたもいらっしゃると思います。
オトガイが出ている場合や、長い場合などに患者の希望があれば形成手術を行うことがあります。
外科矯正治療におけるオトガイ形成術は、下アゴ単独もしくは上下のアゴの移動術だけではオトガイ部の形態が十分に改善しない場合に行います。
では、どんな場合に行う手術なのでしょうか?
- オトガイが長い場合
長い場合は真ん中部分を手術により抜いて、短くすると術式を取ります。 - 下あごが後ろに後退しすぎている場合
オトガイ部を切って前方に移動させます。 - 主に正面から見て非対称が残っている場合
左右どちらか横に動かします。
噛み合わせ(咬合)の改善を目的とする場合、オトガイ形成術の前に矯正・外科手術を行うことのほうが多いようです。
顎変形症で噛み合わせ(咬合)には問題がない場合、また、顎変形症が原因と考えられる睡眠時無呼吸の症状がある場合などには、オトガイ形成術を単独でおこなうこともあります。
オトガイ形成術は、審美的要素が強く、適応ケースであれば、施術するかしないかは患者さんの要望にも配慮できます。必要と判断すれば行ないます。また、この手術も保険が適用されます。
オトガイ形成術は、保険が適応される手術になっているので、認可・指定されている医療機関であれば自己負担は少なくてすみます。
オトガイ形成術で保険が適応される医療機関とは、育成更生医療指定機関と顎口腔機能診断施設になります。
ちなみに、当院 (村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター) も
指定自立支援医療機関(育成・更正医療機関)
顎機能診断施設
の指定を受けていますので、もちろん、保険が適応されます・・・・V(0。0)/
以前は保険の適応がされていなかったため、かなり高額な手術費用の負担がかかっていました。先天性疾患が原因にとなる外科矯正の場合は、認定されている医療機関での保険が適応されていましたが、矯正治療は自費診療となっていました。
しかし、最近では、認定された矯正専門の病院( 指定自立支援医療機関 ・ 顎機能診断施設 )や、限られ医療機関で保険の適応が受けられるようになりました。
オトガイ形成術を受けたくても、費用の面で悩んでいた方々は多くいるのではないでしょうか?
矯正治療での保険の適応範囲が広がり、だいぶオトガイ形成術を受けやすくなりました。
ただし、適応ケースや費用は個人によって差がでることもあるので確認する事が必要です。オトガイ形成術の費用は病院や診療科によっても違い、矯正期間や方法、入院期間などによって変わってきます。ご注意ください。
完全に美容目的であり、保険診療を扱わない美容外科のクリニックなど、保険が適応されない医療機関でオトガイ形成術を行うと、100万円以上を負担する事もあります。
ものすごく、ザックリ言うと・・・・・・術式や稀な例外を除き・・・・
「保険が適応される指定疾患の矯正治療や外科矯正治療の一環として、行うオトガイ形成術」 は保険が適応されます。
「主訴や術式も含め、完全に美容目的である場合は、保険が適応されにくい」
ということです。
今回
「私、下アゴがないんです・・・・・・」 とおっしゃっていた患者さんは、
診断の結果、外科矯正治療の適応となり、オトガイ形成術も含めて、保険適応となりました。
これから、頑張って矯正治療がスタートする予定です。
矯正歯科治療の可能性や適応範囲もどんどん広がっています。
皆さんも、お一人で悩まず正しい情報を得るためにも、お気軽に
矯正歯科の初診・相談を受けてみてください。
☆疑問がスッキリ☆
お役に立てるかもかもしれません。
村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター 村田正人