年始にいらした患者さんより、ご質問がありました。
「親知らずって、歯並び悪くしたりするんですか?
私は、4本埋まってあるのですが、まだ大丈夫みたいなんです」 と・・・・・・・
答えは、 「はい!悪さをする場合が高いです」
そこで、今回は「親知らずの歯並びへの影響」についてです。
現代の人は顔や顎が小さいため、歯の生えてくるスペースが不足しがちです。
スペース不足といっても、どこの歯までがキチンと並んでいれば良いかというと、通常は、上下左右第二大臼歯間(上下左右合計:28本)のことをいいます。
合計28本の歯が、顎と歯の大きさの不調和により、並びきらない人が増えているということになります。
そこへ、さらに「親知らず」が生えてこようと、歯並びのバランスを崩します。
結果、歯が生えようとする時に隣の歯を押して歯並びが乱れる可能性が高くなります。
そして、現代人は、歯並びや噛み合わせが悪い人が増えているといわれています。
(「顎が小さい」というのは、正確には骨格を示すのではなく、バランスの取れた歯が生えてくるスペースの事をいいます = ニュートラルゾーンといいます)
結論から言うと・・・・・・
「現代人では、親知らずは、歯並びや噛み合わせを悪くする原因になる可能性が高いです」
また、ちょっと余談ですが・・・・・・
中には親知らずは、将来、移植や冷凍保存のために「歯のストック」として、抜かない方が良い!そんな考え方をする先生も稀にいらっしゃるようです。しかし、一昔、虫歯が多かった時代の話だと思います。
↑この考え方には、「歯のストック」とういう考えかたの裏には、虫歯や歯周病で歯を失ってしまうだろう!歯を失ってしまう!という前提があっての考え方です。
今の時代では考えられません。
いまは、虫歯や歯周病は「予防」の時代です。
虫歯や歯周病が予防できれば、「歯のストック」はいらないはずだと思います。
それよりも歯並びや噛み合わせへの影響を考えた方が、良いのではないでしょうか?
歯並びや噛み合わせを治療する矯正歯科医は、きれいにした歯並びを保護し、後戻り防止のため、親知らずの抜歯をよく依頼します。
当然のことだと思います。
歯並びの保護・後戻り防止のため、出来ることなら親知らずは抜歯をしておいた方が良いと思います(キチンと生えた悪影響のない親知らずなら、抜歯する必要もないですが・・・・)。
もちろん、抜歯にもリスクありますので、親知らずの位置による抜歯困難な状態や抜歯による神経麻痺のリスクなども考慮することはあります
定期健診を受けて・・・・・
ご自身の親知らずの位置や本数、状態や歯並び・噛み合わせへの影響・リスクなど、よく把握しておく事が大切なのではないでしょうか?
必要に応じては、何らかの症状がなくても抜歯を行うことが、今後、予測される親知らずによる悪影響にたいする「予防」につながるのかもしれません。