最近、ネット環境の整備や拡充により、だいぶ「予防歯科」という概念が普及してきて、虫歯や歯周病などの症状がなくても、定期検診のために歯科を受診する人も増えてきました。
とても良い事です
ただし、ネット環境が当たり前になった現代は・・・・・
情報が溢れ、ただしい情報は良いのですが、間違った情報もときとして、実しやかに発信されています。
良くも悪くも・・・・・歯科医院のイメージも・・・・・・・・汗
ところで、そんな情報発信のひとつとして、 「奥歯の痛み」について・・・・・
奥歯が痛い場合、まずなにをうたがいますか?
虫歯? 歯周病? 知覚過敏? はたまた、 親知らず?
勿論、これらが原因のこともあると思います。しかし、虫歯もない!歯茎もしっかり!親知らずも抜いてしまってない!
でも、噛むとなんだか痛い(><;)/ 重い感じがする(OO;)
そんな症状をお持ちの方、言われてみればそんな感じがする!などと思われるかたはいらっしゃいませんか?
そんな症状を引き起こす原因のひとつに「鋏状咬合(はさみじょうこうごう)」というものがあります。英語で「シザースバイト」といいます。
不正咬合のひとつで、こんな風に奥歯が完全にすれ違ってしまっている状態です。
これを鋏に例えて「鋏状」と呼びます。
上下顎の歯が噛む面(咬合面)咬み合わず、上アゴの奥歯が下アゴの奥歯の外側に位置し、下アゴの奥歯は内側(舌側)に下顎臼歯が入り込んでしまっています。また、その逆もあります。
特に一番奥歯にそのような症状が診られるため、自身では気づかれてない患者さんがほ多いです。
このような状態があると、噛むたびに奥歯には過度な負担がかかります。特に奥歯は上下方向にかかる垂直的な力には強く出来ていますが、横方向に振られる水平方向の力には比較的弱いです。
さらに下アゴのズレやアゴの運動の制限、さらに進行すると噛むたびに歯や歯ぐきがの痛みとして症状が現れます。そして、そのまま放置すると歯ぐきも下がってしまい、グラグラしてきて抜歯にいたる場合もあります。
とく下の奥歯に症状が現れ始めることが多いようです。
やはり、当院の一般歯科を「歯がなんとなく痛い」「噛むと歯ぐきが痛い」とおっしゃって受診された患者さんのなかで、鋏状咬合の状態を呈している患者さんも少なくありません。
以前、当院で治療を受けた患者さんで、左奥歯が数歯にわたって、完全に鋏状咬合でした。かなりグラついていて、さらにかなり深い鋏状咬合を呈していました。
かなり大変な治療が予測されましたが・・・・
当院の矯正歯科にて、全体的な矯正治療を行い改善する事ができました。
鋏状の状態が改善されるころから、歯のグラつきもおさまり、痛みもなくなっていきました。
メンテナンスで時々、来院されていますが、今では前の状態がウソのようにしっかり噛めて、痛みも全くないそうです。
そう!
鋏状咬合の治療法としては、やはり矯正歯科治療がベストの治療法です。歯の根っこの軸を変えることが根本治療となるからです。
鋏状咬合が発覚して、この際だから、全体の歯並びをなおそう!という患者さんはよいのですが・・・・・
えー矯正治療はちょっとなあ・・・・・とお考えの患者さんには、奥歯だけの部分矯正治療を提案しています。今は色々な方法があり、器具も比較的小さな範囲で治療ができます。
歯を守るために!!
せめて鋏状咬合の部分だけでも治療をしておく事が大切です。
そう!歯を守るために!!です。
「歯がなんとなく痛い」「噛むと歯ぐきが痛い」
そんなかたは、一度、奥歯をチェックしてみてください・・・・・
こんな状態なら早めの受診が必要です。
村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター 村田正人