健康保険における歯科の治療費(窓口負担金)についてお話します。
「歯医者は1回の治療にいくらかかるのかよく分からない」「子供が一人で治療に行くがいくら持たせたら良いかわからない」ということをよく聞きます。
確かに何百円でいい時もあるし、何千円という時もある。しかも治療時間などに比例していない。不思議に感じても仕方ないと思います。
現在保険診療において、窓口負担の割合は収入や年齢その他の要因によって、0割・1割・2割・3割負担の4通りになっており、その治療費(診療報酬)の基準は保険点数というもので定められています。(保険点数1点は10円)
日本全国一律です。
例えば、1回の通院ごとに算定できる再診料などは別として、100点と定められた診療を受けた3割負担の患者さんの窓口負担は、300円 2割負担の方は200円です。
このような計算によって窓口負担が算定されています。
さて、歯科の診療報酬の点数はひとつの診療行為について何点、詰め物・被せ物などの材料について何点と決められています。
被せ物などの場合その場所によって大きさを2通りに、被せ物はその部位によって、分けられているだけで使用する材料の量に完全には比例していません。同じ部位であれば大きさがどんなに違っても同一点数です。
同じ大きさであっても材料の違いによって、大きな差がある物もあります。
診療行為は、抜歯などの外科的処置については標準と困難の区別により差が設けられていますが、神経をとる治療や根の治療・歯周病の治療・入れ歯の作成にかかわる治療などは部位によって決められており、標準的か難しいか時間が掛かるかどうかなどは考慮されていません。
また包括点数という考え方があり、例えば入れ歯の調整は、新しいものを入れた日1回か、来院した月の最初の日に1回のみで、その後は同月に何回調整に通っても再診料のみで調整料は最初の1回に含むという制度です。
口内炎の処置などは再診料に含まれてしまいます。
これだけの説明では分かりにくいかもしれませんが、以上のような理由で窓口負担は患者さんが受ける印象とは異なった金額になることがあるのです。ご理解ください。
出来る限りご説明の上診療するよう心掛けていますが、ご不審な点はなんなりとスタッフにお聞きください。
横浜 村田歯科医院 一般担当 岡田 一記