しばらく、ブログの更新ができませんでした。
私のパソコンが調子を崩し、ついに入院となってしまい挙句の果てには心臓移植(ハードディスクの交換)に至りました。
しかしながらやっと、復活いたしました。
さて、先日とある患者さんが「最近になって入れ歯がすごくうっとうしく、入れていられなくなり外してしまう」と訴えがありました。
聞いても痛いわけでも緩いわけでもないとおっしゃいます。
以前、私が作って差し上げた義歯であり、ずっと何の問題もなく使用されていたものが最近になってそのような感じが出たとのことでした。
?口の中を拝見しても特に異常は認められず、義歯にも外見上変化は見られませんでした。?
何らかの変化があれば調整もできますが、さてどうしたものかと悩みました。
最初は何ともなかったのですから、変化がどこかにあって起こった事だろうとは思うのですが・・・
ほとんどの場合、様々想像しつつ、口腔内及び義歯本体を精査すれば、原因はわかるものです。が、今回はわかりませんでした。
やむを得ず、一番うっとうしさを感じる原因は義歯の大きさなので、おかしいとは思いつつ少しの調整をしました。
後日来院時にお伺いをすると、「少しは楽にはなったが、まだ感じる」とのことで、前回の処置は適切ではなかったと思いました。
再び思案を巡らせましたが、わかりませんでした。
再度、口腔内をよく見てみると、前回は何の異常もありませんでしたが、義歯の辺縁にあたる部分の土手(顎堤)に粘膜が少し白く変化した部分が認められました。
これはもしかして義歯がやや強くあたっていると思いその部分に相当する義歯辺縁を削合調整したところ、患者さんが「楽になった!」とおっしゃったのです。
強く義歯があたる部分があると粘膜に傷がつき赤くなってきますが、あたり自体がそれほど強くはなかったことと、義歯を外していることが多かったために粘膜にその痕跡が初見時には無かったようです。
兎にも角にも、原因がわかってほっとしましたし、良かったとも思いますが、義歯は難しいものです。
こういった事は教科書には書いてありません。
自分自身、義歯は入れていませんので、これまで遭遇してきた不具合の訴えの経験と想像力と観察力がやはり大事だとつくづく実感しました。
患者さんに1回目と2回目の間不快な思いをさせてしまいましたが、良い経験をまたさせていただきました。
村田歯科医院 / 村田歯科 横浜矯正歯科センター 一般担当 岡田一記