当院は1976年に開院しました。
開業前は日本大学歯学部歯科補綴(ほてつ)学教室で、歯が欠けたり、失われた部分を義歯や入れ歯などで補う治療法を専任教員(専任講師)として学生に教えていました。
しかし、実際の歯科治療では補綴だけでは済まないことがほとんどなため、患者さんをもっとトータルで治療して差し上げたいという思いが強くなっていきました。
それに、たくさんの患者さんと接した方が、歯科医としてできることが多いのではと思い、当院を開業をしました。
実は学生時代に一番苦手だったのが矯正でした。
ですが、矯正は大学の外でも中でも役に立つと考え、歯科矯正学教室で学ぶことにしました。
実際に矯正治療をするようになると、そのおもしろさにどっぷりとはまりました。
矯正治療は大体の流れはもちろんありますが、実際の治療はみなさんそれぞれに違います。
例えば、一口に「前歯を治す」と言っても、歯の大きさや生えている角度、位置などによって、治療内容はまったく異なったものになります。
難しいケースほど治した時に私もやりがいを感じますし、患者さんも喜んでくれます。
私は、ちょうど矯正認定医になる審査が厳しくなり始めた時に認定医資格を取りました。
現状はさらに難しくなっているようですが、それだけ厳しいのは、矯正は専門性が高いからだと言えます。
矯正治療はちょっとしたずれが命取りになります。
例えば、1ミリ、2ミリのわずかなずれで、その後の治療が全部狂ったりすることもあります。
ですから、専門的知識を持たずに矯正治療をすると、事故やクレームにつながる危険性が高くなります。
実際、矯正を専門にしていない歯科医院で矯正治療を受けた患者さんで、「なんとかしてほしい」とセカンドオピニオンを求めていらっしゃったケースもございます。
認定医であることは、それだけ専門性が高いことの証であると言えます。
日本大学歯学部歯科矯正学教室ではワイヤーを曲げることを重視していました。
朝8時、9時から終電時間までワイヤーを曲げていたこともありました。その時は正直、ワイヤーなんかもう見たくない、と心底思ったこともあります。
ですが、正確にワイヤーを曲げられる技術は実際の治療でとても役に立ちました。
最近では形状記憶のワイヤーもありますが、それも微調整は必要です。
そしてもう1つは、”正常な歯並び”をしっかりとたたき込まれました。
正常な歯並びを知らないと異常な部分もわかりません。
矯正治療では歯を動かすので、ほかの正常な歯の位置にも影響を与えます。
ですから、異常な歯を治すために、正常な歯を悪くしてしまう危険があります。
それを防ぐためには正常な歯並びをきちんと理解している必要があります。
今では患者さんの口の中を見ただけで、ある程度治療を組み立てて、レントゲン写真によってその見立てが正しかったかを判断できるようになりました。
1996年 | 日本大学歯学部卒業 |
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1996年~ | 日本大学歯学部附属歯科病院歯科矯正科勤務 |
1997年~ | 村田歯科医院 矯正歯科専門外来開設 担当 |
2001年 | 日本大学大学院歯学研究科卒業(歯科臨床系専攻) |
2001年 | Charles H. Tweed International Foundation Tweed Study Course 修了(アリゾナ州ツーソン研修) |
2002年 | 日本矯正歯科学会認定医 取得 |
2006年 | 日本大学歯学部歯科矯正学講座 助教 日本大学歯学部附属歯科技工士専門学校 兼任講師 |
2010年~ | 日本大学歯学部歯科矯正学講座 兼任講師 村田歯科 横浜矯正歯科センター 担当医(常勤) |